先日、前橋にある「ヴィクトリアコテージ」へ出かけてきました。
かつて結婚式場として親しまれていた、イギリス建築の美しい洋館。
アンティークの家具や、繊細な花模様の食器。
窓から差し込む柔らかな光に、きらきらと輝くシャンデリア。

一歩足を踏み入れると、そこには日常とは少し違う、ゆったりとした時間が流れていました。
実は、この場所を訪れるのは初めてではありません。
けれど、こうして改めて身を置いてみると、建物の美しさはもちろん、そこに流れる空気まで愛おしく感じられます。
以前の営業は終了しましたが、現在は東京の紅茶専門店「cha tea」が建物を引き継ぎ、紅茶サロンとして新たな時間を紡いでいます。
建物がそのまま残り、また誰かがこの場所で美しい時間を過ごせること。
そんなお話を伺って、なんだか嬉しくなりました。
長い時間を重ねてきた建物には、そこにしかない魅力があります。
大切に使われてきた家具や食器にも、きっとたくさんの物語があるのでしょうね。

この日のお楽しみは、アフタヌーンティー。
ひとりでゆっくりと楽しむ、贅沢な午後です。
サクサクのスコーンに、クロテッドクリームとカシスのジャムをたっぷりとのせて。
ひと口頬張ると、スコーンの素朴な味わいに、クリームのまろやかさとカシスの甘酸っぱさが重なります。
そして、そのあとに紅茶をひと口。
ふわりと広がる香りに、思わず頬がゆるみました。
あぁ、幸せ。
ショートブレッドやヴィクトリアンケーキもいただきながら、ポットの紅茶をゆっくりと味わう時間。
お気に入りのカップでいただくミルクティーも、また格別でした。
美しいものを眺めて、おいしいものを味わう。
ただそれだけなのに、心が満たされていくのを感じます。
以前は、こういう時間も誰かと一緒に楽しむものだと思っていたかもしれません。
もちろん、誰かと過ごす時間には、その楽しさがあります。
けれど今は、ひとりで出かける時間も、こんなに心地よいものなのだと感じています。
誰かに合わせることなく、自分の好きなものを、好きなだけ眺める。
紅茶の香りに包まれながら、目の前の景色を楽しみ、ゆっくりと流れる時間に身を委ねる。
それだけで、こんなにも満たされるのですね。
ひとりで楽しめるようになったというより、ひとりの時間まで愛おしくなった。
そんな自分の小さな変化も、なんだか嬉しく思えました。
帰りには、スコーンと紅茶をお土産に。
あの場所で感じた幸せを、今度はお家でも楽しもうと思います。
お気に入りのティーカップを選んで、お花を飾って、好きな音楽を流して。
そんな午後を想像するだけで、また幸せな気持ちになります。


暮らしの中に、好きなものをひとつずつ増やしていく。
美しいものを眺めること。
おいしいものを味わうこと。
心が喜ぶ時間を、自分に贈ること。
そんな小さな積み重ねが、毎日を少しずつ、自分らしい色に染めてくれる気がします。
好きなものと、一生生きていく。
これからも、自分の心が喜ぶものを大切にしながら、暮らしの中に小さな幸せを見つけていきたいと思います。
紅茶の香りが消えたあとにも、心の中には温かな余韻が残る。
そんな素敵な午後でした。
ヴィクトリアコテージ 紅茶サロン
かつて結婚式場として親しまれた、イギリス建築の洋館。アンティークの家具や食器に囲まれながら、紅茶とともにゆったりとした時間を楽しめる場所です。
今回いただいたスコーンや紅茶の味わいはもちろん、建物の雰囲気や、そこに流れる穏やかな時間も印象に残りました。
美しい空間で、日常を少しだけ離れて過ごしたいときに。
お気に入りの場所のひとつになりました。


